
スポーツ飲料を凍らせた冷凍ペットなる商品を持ち歩くようになっていた。
首の後ろにペットボトルを当てると気持ちよく、
熱中症対策にもなりそうだ。
しかも、いい具合に溶けていき、
最後まで冷えた状態で飲むことができる。
さて、前回の続きである。
豊川市のホテルを出て、駅前で冷凍ペットを購入して電車に乗り、
前日、歩くのを切りあげた岡崎市の本宿駅まで戻り、
再び豊川方面に向かって歩き始めた。
午前中は時速4キロ。
いつしか自分の中にできあがってきたペースである。
午後になると疲れと暑さで時速3.5キロまで落ちてくるので、
涼しいうちにできるだけ距離を稼ぎたい。
豊川市に入った頃、
一本目の冷凍ペットがなくなり、
イオン系のコンビニエンスストア「ミニストップ」に立ち寄った。
冷凍ペットを手にレジの前の列に並んでいると、
キャッシャーの横のアイスコーヒーの機械が目に入った。
ミニストップには僕が今まで一度も利用したことがないイートインのスペースがある。
ここで飲んでみたい...、
しかし、午前中に、少しでも前に進みたい...
二つの気持ちが交錯しながら躊躇していると
「飲んでいこまい」
憑いた信長の声が聞こえた。
ミニストップのアイスコーヒーのこだわりは豆というよりも、
時間をかけて氷結させた純氷を使っていることで、
豆の香りと旨みを引きたてているとインターネットには書かれている。
味に鈍い僕にはすっきりした飲みやすいアイスコーヒーであることくらいしかわからない。
イートインスペースの椅子に座り、
アイスコーヒーを飲みながら、
ノートパソコンでネットサーフィンをしていると
前のテーブルに小学生らしき子供連れの親子が座り、ソフトクリームを食べていた。
その光景を見て、今日が日曜日であることに気がついた(東海道サンポは7月頭で、まだ夏休み前だった)。
歩き始めて4日目。
既に曜日感覚はなくなっていたのである。
戦国時代に曜日感覚があったのだろうか。
「ない!」
信長はそう言った。
曜日が日本に伝わってきたのは平安時代だと言われ、
藤原道長の日記には、毎日の曜日が記載されていた。
しかし、戦国時代から江戸時代の初め頃まで、
一般市民の間で曜日を使うことはほとんどなかったらしい。
曜日を日常生活でも使うようになったのは、
明治時代初めにグレゴリア歴が導入されてからのようだ。
さて、約1ヶ月に渡って東海道サンポの模様を、お送りしてきたが、
この後、静岡に入っていき、
「喫茶王国」の範囲からはずれていくので、
ここで東海道サンポの報告はおしまいである。
次回からは通常の連載に戻ります。
ちなみに岐阜を出発してから13日目の火曜日、僕は無事、東京に辿りついた。
