―愛知県喫茶生活衛生同業組合というのはどのような組合なのでしょうか。
「具体的にできた年月というのは難しいですが、今の名前になる前の組合、喫茶環境衛生同業組合というのは、昭和38年にできました。名古屋だけでいうと、戦前、昭和8年に名古屋喫茶食堂組合というのができ、昭和38年環衛法(正式名称:環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律)の制定により、喫茶環境衛生同業組合になりました。」
―愛知は特に喫茶店が栄えていますが、なぜなのでしょうか。
「古くは江戸時代、愛知、特に名古屋は城下町として栄えていたことはご存知ですよね。お城ではお茶の習慣があったことから、城下町はお茶所として栄えていたそうです。ほら、北陸の金沢を見てください。お茶菓子『きんつば』が有名ですよね。お茶所(処)だったという証です。」
お茶所として城下町が栄え、街にもお茶の習慣が根付いた。その習慣が現代まで続き、今に至るということだ。
しかし要因はこれだけではない。
例えば一宮では。
有名な話ではあるが、一宮は繊維の町として栄えていた。
機械が機を織る音が工場内に鳴り響き、商談・打ち合わせには中は不向きであった。そこで、喫茶店が利用されるようになったという。現在でも面談や打ち合わせに利用している方を見かけますよね。
その他にも、カラーテレビやクーラーが3種の神器と呼ばれていた時代、各家庭にはなかなかなかったカラーテレビを喫茶店はいち早く取り入れていた。
その為、人々は第二の家として喫茶店を利用したという。
このような理由から、私たちの生活に喫茶店で過ごす時間が根付いたのである。
―現在、この愛知にはどれくらいの喫茶店があるのでしょうか。
「愛知県内にある喫茶店・カフェの数は8000~10000店舗と言われています。そのうちの2000店舗が組合に加入しています。」
これだけ聞くと多いように感じるが、これでも全盛期(1981年)の4800店舗と比較すると減ってきているという。その原因は、後継者がいなかったり、物価の上昇だったりとある。
そんな状況であるが、この愛知の喫茶店にまつわる統計の結果はすごい。
ここ2,3年間の統計は出ていないが、平成18年の統計では、喫茶店の数は大阪についで第2位、人口一千人当りの喫茶店の数は、高知、岐阜についで第3位、面積1平方キロメートル当りの数は、大阪、東京についで第3位となっており、3つの部門にランクインしている。
愛知の喫茶店の象徴のひとつとして、飲み物についてくるおまけが挙げられる。
人の心理だろうか、コーヒー代だけでいただくことができるおまけは、何となくお得感を感じさせてくれる。
はじめの頃はピーナッツが主だったが、最近では蒸しケーキを出すお店などもあり、お店によりけりだ。
―これから先、喫茶店や喫茶組合はどのように変化していくと思いますか。
「20年、30年先と言われても、自分のこともそうだが、喫茶店がどうなっているのかわからんな。根強い人気はあっても今の需要では見えんな。まあ、あればいいわな。」
20年後というと舟橋さんは大台に乗り、書いている私たちもおじさん、おばさんになっているだろう。
しかしどれだけ時が経っても、世間の人々の憩いの場である喫茶店があり続けていて欲しい。
取材:編集部N
PROFILE
舟橋 左門
愛知県喫茶飲食生活衛生同業組合 理事長
昭和19年生まれ、愛知県出身。
昭和55年35歳のとき、お母様から現在の
喫茶サンパウロを継ぐ。
平成6年、愛知県喫茶飲食生活衛生同業組合の理事長に就任。現在に至る。
愛知県喫茶飲食生活衛生同業組合は
こちら。